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「一昨日真子が倒れたんだ。凄い熱で…意識もなくて。」
「えっ!!!それでお姉ちゃんは?」
私は立ち上がっていた。
「今日の昼過ぎに目をさました。しばらくは安静にしないとならないから、入院する事になった。」
「意識戻ったんだ、よかった~」
安心している私とは対象的に両親の表情は暗かった。
「お姉ちゃん、悪い病気なの?」
私は心配になり聞いた。
「かっ風邪をこじらせただけよ。」
母が言った。
私はなんとなく信じられないでいたが、明日は部活が休み。お見舞いに行こうと思っていた。
「しばらくは家事を手伝って貰う事になるけど。」
母は心配そうに私を見た。
「そんなに長い入院になるの?」
私は不安になって聞いた。
「検査をしてもらうからな。」
まるで台詞のように話す父。
「わかった。でもね、試合が近いの。朝から夕方迄練習があるんだ。」
姉の事は心配だったが、試合には出たかった。
いつもなら、
「わがままいうな~」
父の雷が炸裂する。
「出来る範囲で構わないからな。」
やけに優しく言われ、拍子抜けだった。
「希望も疲れたでしょ?もう休みなさい。」
母もやたらと優しかった。
私は疑問を抱えたままリビングを後にした。
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