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「希望、今日まだ一緒にいられる?」
いきなり大翔が切り出した。
「まだ平気だよ。」
時計は午後4時。
母が帰るまで3時間。
「家に来ない?」
突然の誘いに戸惑ったが頷いた。
大翔は私の手を強く握った。
「俺さ、やっぱり駄目だ。希望を抱きたい。」
突然の言葉に頭が真っ白になった。
「えっ…」
私は自分の裸の姿を思い出していた。
幼い頃に何回も受けた手術の傷跡…
左胸に残る跡。
私はそれを見られたくなかった。
「私の胸にはね、醜い跡があるの。」
私の言葉に大翔は不思議そうに首を傾けた。
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