嫉妬

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姉の入院は思いの外長引いていた。 試合前日、軽目の練習で終わった為、体があいた。 「希望、これから白田君とゲーセン行くんだけど、希望達も一緒に行かない?」 ハートマークが飛び交うようなハイテンションな声の加奈。 そう、合宿をきっかけに二人は付き合い始めたのだ。 私は姉のお見舞いに行こうと思っていた。 「ごめんね~姉のお見舞いに行って来るよ!」 「あ~そっか…神崎君も行くの?」 首を横に振ろうとした時! 「俺も一緒にいくよん!」 いつの間にか大翔が私の背後にいた。 「残念だけど仕方ないね…また今度ね!」 そう言うと、加奈と白田君は手を繋ぎ帰って行った。 私は困っていた。 大翔が一緒にお見舞いに行ったら、お母さんにばれちゃうよ… そんな事を考えていた私。 大翔の人差し指が私の眉間に触れた。 「凄いシワがよってる…」 その仕草がたまらなくかわいく見えた。 「イコッ!」 私は迷いが消えた。 自慢の彼氏を母に紹介しよう!そう決めた。
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