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「しかし、びっくりしたわ~希望にこんな素敵な彼氏がいたなんて…ねぇ真子。」
母は姉に同意を求めた。
姉は、
「ごめんね、私は知っていたの。」
母に謝る。
母は、
「お母さんだけ仲間外れ?ひどいわね~」
そう言いながらも嬉しそうだった。
母は私達の馴れ初めを聞き出したいらしく、遠回しに質問してくる。
照れる私達のかわりに姉が言った。
「神崎君の片思いから始まったのよね!」
私は驚いて姉に言った。なぜなら、私は二人が付き合うようになったいきさつは、話していなかったからだ。
「なんで知ってるの?」
私はついそう口にしていた。
姉は一瞬困ったような表情を浮かべたが、直ぐに笑顔になり言った。
「やだっ!冗談だったのに、当たっちゃったの~?」
姉がこんな冗談を言った事に驚きながらも、
「ひどいな~かまかけたんだ!」
そう言って笑った。
病室は明るい笑顔でいっぱいになったが、姉の笑顔がどこか悲しげに見えるのが、心に引っ掛かっていた。
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