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試合会場から姉の入院している病院が近かった為、明日退院と聞いていたが、優勝報告を兼ねて行く事になった。
打ち上げには後から参加すると加奈に言って、私達は別れた。
携帯をマナーモードにするのを忘れていた私。
病院に入ろうとした瞬間携帯が鳴り焦った。
加奈からだ。打ち上げの場所が決まったら連絡すると言っていた。
電波が良くないのか聞き取りにくい。
「大翔、先に病室行ってて。」
それだけ言うと私は建物から離れた。
一度切れた携帯。再びかかってくる。
いまいち場所が解りにくい為、以外に手間取ってしまった。
その頃先に病室に入った大翔。
「こんにちわ!」
「神崎君!」
病室には真子しか居なかった。
ベッドから立ち上がり、荷造りをしていた。
「希望は?」
不思議そうに尋ねる真子。
「今来ます!あっ!俺達揃って優勝しました!」
大翔はメダルを掲げた。
「凄い!触らせてくれる?」
はしゃぐ真子。
足元のごみ箱につまずき倒れかかる。
「キャッ!!!」
次の瞬間大翔の逞しい腕が真子を支えた。
抱き合う形になった二人。
「大丈夫ですか?」
そう言って体を離そうとした大翔。
真子は大翔の背中に回した手に力を込めた。
「真子さ…ん?」
大翔は予想外の展開にただ驚いていた。
「何で希望なの…」
確かにそう聞こえた。
「えっ?」
聞き返す大翔。
その時…
「お待たせ~!」
希望が病室に入って来た。
二人が抱き合っているのを見た希望はただ唖然と立ち尽くした。
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