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いきなり衝撃的なシーンに遭遇した私は、言葉を失った。
「な…んで?」
涙が溢れて来た。
大翔は大慌てで姉を離し、私に駆け寄った。
「違うよ希望!」
私は大翔に掴まれた腕を力いっぱい振り払った。
「嘘つき!」
私は病室から飛び出した。
「希望!」
大翔が追い掛けて来るのがわかったが、振り向く事なく走った。
その頃、姉が、
「ごめんね希望、でもね…一度だけわがままを許して…」
そう呟き泣いている事など知るよしもなかった。
病院を飛び出し道路を渡ろうとした瞬間、大翔の腕に掴まれ引き寄せられた。
「馬鹿!信号赤だぞ!」
お互い息が上がっていた。
「離して!」
私は大翔の腕を振り払おうとしたが、強い力で引き寄せられた。
「話を聞け!」
怒鳴られ身をすくめた。
近くの公園のベンチに座らせられた。
隣に座る大翔。
私は下をむいたまま大翔の言葉を待った。
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