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その時携帯がうなった。マナーモードにしていたからだ。
私が出るのを躊躇っていると、
「出たら。」
大翔が呟いた。
私は携帯に出た。加奈からだった。
「まだ来れないの~?」
すっかり忘れていた…打ち上げ。
気まずい雰囲気のままでは行くに行けない。
「直ぐにかけなおすね。」
一先ず電話を切った。
「加奈ちゃんから?」
大翔が聞いた。
「うん。」
私は大翔を見ずに返事をした。
「そんなに俺、悪い事したのかな?」
大翔がため息混じりに言った。
大翔が悪いんじゃない。そう…姉と大翔が余りにも似合っていて…嫉妬した。
うまく言えない私。
「違うの…あのっ、ふっ二人が似合っていて、なんか私、私…」
言葉に詰まる。
「嫉妬……?したとか?」
大翔に聞かれ頷いた私の目から涙が零れた。
「なんだ…俺、疑われてるのかと思ってた。そっか。嫉妬なんだ。」
大翔は私を引き寄せるとキスをした。
私は素直に応じられた。
二人きりの部屋。
いつもより濃厚なキスに私は立っているのがやっとだった。
「希望、大好きだよ。」
やっと離された唇。
「本当に?」
私は上目使いで確認した。
「その目、反則だよ。」
切ない目をした大翔に抱き抱えられ、ベッドに寝かされた私。
身動き出来ない私の上に大翔が覆いかぶさってきた。
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