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「そっそんなに悪いの?」
私は母の言葉を待った。
「希望も彼氏が出来るくらい大人になったのよね。だからきちんと言うね。お姉ちゃん、癌なの。」
私は頭を金づちで殴られたような衝撃を受けた。
「治るんだよね?しっ死んだりしないよね?」
私はつい大声になる。
母は涙をためながら言った。
「その為に手術するのよ。」
「何の癌なの?」
母の余りにも悲しげな顔が気になった。
「なんで真子なの…」
母はこらえきれず顔を手で覆って泣き出した。
「お母さん…」
私は母の震える肩を優しく撫でた。
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