408人が本棚に入れています
本棚に追加
/165ページ
「希望、怒ってる?この前はごめんね。」
突然姉が謝って来た。
私の脳裏に姉と大翔が抱き合っていたシーンが浮かんだ。
「あっ、うん。」
私は姉を見る事なく頷いた。
沈黙が続いた。
私は思い切って聞いてみた。
「大翔の事前から知ってたって聞いたけど、なんで?」
姉は一瞬困った顔をしたが、直ぐに笑顔になりこう言った。
「希望の試合で見かけただけよ。目立っていたから覚えていただけ。」
「それだけ?」
私はやっと姉を見れた。
姉は頷いた。
「でも、ごめんね。誤解させるような事になって。」
私は大翔が言っていた通りだと安心した。
「わかった。もういいよ!」
私は姉に笑いかけた。
姉は安心したのか、私の隣に座り話し出した。
「でも、神崎君、本当に希望が好きなのね。試合を見に行って神崎君の視線を辿るとね、その先にはいつも希望がいたのよ。」
私はその頃大翔を知らなかった。そんな前から大翔に思われていた事が嬉しくて、思わずはにかんだ。が、次の瞬間疑問が浮かんだ。
最初のコメントを投稿しよう!