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…私を見ていた大翔。大翔の視線の先にはいつも私がいた。いつも……?いつも大翔を見ていたの?お姉ちゃん?
「大翔をいつも見ていたんだ…」
私の言葉に姉の顔が強張った。
再び沈黙が…
姉が口を開いた。
「ごめんね…ごめん、私、一目見た時から引かれたの。いつも試合を見に行っていたのは彼を見たかったから。皮肉よね、見ていたから彼の気持ちがわかっちゃって。真っ直ぐに希望をみていたのよ。」
私は何て言ったらいいのかわからなかった。ただ、大翔の背中にまわされた、姉の白くて華奢な腕を思い出していた。
「希望…?」
名前を呼ばれたが私は俯いたままだった。だが思い出した事があり顔をあげ尋ねた。
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