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夕方姉が浴室に入るのを確認した私。
気付かないふりをして浴室のドアを開けた。
「やだっ、入ってたの?!」
そう言って出ようとした。
「一緒に入らない?」
今にも消えそうな声で姉が言った。
『ズキッ』
姉の辛そうな顔に胸が音をたてた。
だが次の瞬間私の心の中の悪魔が騒ぎ出す。
「お母さんには内緒にしてね。」
そう言いながらゆっくり振り向き浴室に足を踏み入れた。
「あっ、それって…」
姉の視線は、私の胸の赤い花にクギヅケになっていた。
私は恥じらうふりをして言った。
「浮気防止って言ってつけるの。大翔って独占欲強くて。」
姉は湯舟から出ると、何も言わずに浴室を出て行った。
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