余命…?

4/20

408人が本棚に入れています
本棚に追加
/165ページ
浴室に一人残された私は、例えようも無い虚しさに包まれていた。 明日から又姉は入院する。 そういえば、何の病気なんだろう。 私は浴室から出ると、母にそっと聞いた。 漬け物を切る手がとまった。 「私には教えられないの?」 母の背中が泣いていた。 「子宮癌よ…真子は子宮を摘出するのよ…」 私は体が震え出した。 『ガタン』 物音に振り向くと、青ざめた姉が立っていた。 「真子!」 悲鳴に近い声の母。 姉は首を横に振りながら後退りする。その目には涙が溢れていた。 「おねぇ…ちゃん。」 私が思わず手を取ろうとしたが、姉は玄関から外へ飛び出した。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

408人が本棚に入れています
本棚に追加