408人が本棚に入れています
本棚に追加
/165ページ
私と母は直ぐに姉の後を追った。
私は後悔していた。
自分の心の醜さに涙がとまらない。
何処を探しても姉の姿は見当たらなかった。
携帯も持たずに飛び出したので、母と連絡がとれない。
私は一先ず自宅に戻ろうとした。
その時、
「希望!」
名前を呼ばれて振り向くと、大翔が紙袋を片手に立っていた。
「あっ、大翔!」
私は思わず駆け寄った。
私の様子がおかしい事に気付いたのか、心配そうに私の顔を覗いた。
私は姉が飛び出したとだけ言い、その姉を探してると説明した。
「喧嘩でもしたのか?」
のんきな大翔。
本当の事が言えずに私は唇をかんだ。
「とりあえず希望の家に電話してみるよ!」
大翔は私の家に電話をした。
私に携帯を無言で渡した。
ワンコールで母は出た。
「もしもし真子?!」
相手が私だとわかり落胆する母。
連絡がつくように携帯をとりに自宅に一度戻るように言われた。
「俺も探すよ。」
大翔は私と反対方向に走って行った。
私は自宅へ急いだ。
最初のコメントを投稿しよう!