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「ただ今、お母さん…お姉ちゃんまだ?」
母は首を横に振った。
「あの子、自殺なんかしないわよね…真子…」
私もそれは心配していた事だった。あえて考えないようにしていた。
「お姉ちゃんはお母さん達が悲しむような事しないよ!私が見付けて必ず連れて帰るから。」
私は再び自宅を飛び出した。
その頃、大翔は高校の近くを探していた。
近くにある公園のブランコに俯いて座る人影にそっと近付いた。
…いた…
理由はわからないが、希望が必死になって探していたのを思いだし、なぜかホッとした大翔は
希望に携帯をかけた。直ぐに向かうと言った希望。
携帯を閉じると大翔は真子に近づいて、
「こんにちわ、んっ?こんばんわかな?」
と、明るく話し掛けた。
真子は驚いて立ち上がった。
「なん…で?」
真子は大きな瞳を潤ませた。
「希望がベソかいて探してますよ。それにもうすぐ暗くなりますから、危ないですよ」
大翔は真子の隣のブランコに座った。
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