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少々疑いのこもった目を学長に向けると、学長は力強く頷いた。
「お任せください。
陛下のお願いでもありますし、なにより学園の生徒を守るのが私の仕事です。」
「……わかりました。」
まだ少し納得のいかない表情をしていたが、学長の言葉に鷹夜は渋々と頷いた。
まぁ確かに、まりえならボディーガードなど必要ないとは思うが―――
何て言ったって、襲ってきた数人の男子生徒を、まりえは瞬殺で皆病院送りにしているのだから。
「まぁせっかく藤堂さんが編入手続きをしてくださったのですから、どうぞ学園ライフを楽しんでください。」
「そうですね……。
平和な時間を楽しむのもまた一興、ですかね。」
そう言って鷹夜は小さく笑うと、いつの間にか出されたコーヒーに口をつけた。
「ぜひ楽しんでください。
……あっ、言うのを忘れていましたけど、陛下は寮はどうします?」
学長は思い出したように手を叩くと、鷹夜に入寮するか聞いてきた。
「そういえば、ここには寮がありましたね……。
でも藤堂家での仕事もありますし、通いでお願いします。」
そんな話をしながら、鷹夜の編入は意外に簡単に決まった。
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