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ピピピピッ
ピピピピッ
ピピピピッ
ピピピ……ガシッ!
規則正しい電子音のなる目覚まし時計を目にも留まらぬ速さで掴むと、問答無用で床に叩きつけた。
ガシャンという無惨な音が部屋中に響くが、当の本人は全く気にすることなく布団に包まっている。
カーテンの隙間から入り込む朝日がベッドで眠るこの部屋の主の顔を照らすが、身動き一つする気配もない。
完全に、熟睡しているようだ。
この部屋で音というものは、もはや部屋の主の健やかな寝息の音だけである。
しかしそんなまどろむ静寂の中、突如現れた挑戦者!(?)
ピピピピッ
ピピピピッ
ピピピピッ
ピピピピッ
ピピピ―――ガシッ。
果敢に攻めた目覚まし時計2は、無情にも目覚まし時計1と同じ運命を辿ることとなってしまった―――
こうして、部屋の主といくつもの目覚まし時計の戦いは、数分間隔でいつまでも続いていた。
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