若き戦士たちよ

12/17
59563人が本棚に入れています
本棚に追加
/903ページ
そしてその声音に導かれるように、大量の魔力が渦になって彼女から溢れ出す。 「なっ?!」 嵐のように吹き荒れる魔力に足を踏ん張って耐えていた美智子が、驚愕に目を見開く。 いつの間にか空は暗くなり、魔物が一体も飛んでいない。 「これは……」 「っ……透、こっち!」 訝しげに空を見上げる透の腕を掴み、美智子は強く引っ張っていく。 その声音と力の強さから、かなり焦っているのがわかった。 「どうしたんだよ……」 「見てわからないのっ?! あの魔術―――光属性と闇属性を合成したとんでもない代物よ!」 よくわかっていない透に美智子は血相変えて怒鳴っていると、それはおこった――― 暗い空はさらに暗くなっていき、辺りは漆黒の闇に染まる。 そんな暗闇にぽつりぽつりと小さな光が宿ると、それは次第に大きくなっていった。 .
/903ページ

最初のコメントを投稿しよう!