59563人が本棚に入れています
本棚に追加
/903ページ
そしてその声音に導かれるように、大量の魔力が渦になって彼女から溢れ出す。
「なっ?!」
嵐のように吹き荒れる魔力に足を踏ん張って耐えていた美智子が、驚愕に目を見開く。
いつの間にか空は暗くなり、魔物が一体も飛んでいない。
「これは……」
「っ……透、こっち!」
訝しげに空を見上げる透の腕を掴み、美智子は強く引っ張っていく。
その声音と力の強さから、かなり焦っているのがわかった。
「どうしたんだよ……」
「見てわからないのっ?!
あの魔術―――光属性と闇属性を合成したとんでもない代物よ!」
よくわかっていない透に美智子は血相変えて怒鳴っていると、それはおこった―――
暗い空はさらに暗くなっていき、辺りは漆黒の闇に染まる。
そんな暗闇にぽつりぽつりと小さな光が宿ると、それは次第に大きくなっていった。
.
最初のコメントを投稿しよう!