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「皐月さん、学園は……?」
「もう終わりましたよ。
午前中だけだって言ったじゃないですか。」
少し驚いている鷹夜に、皐月は笑顔で近づき鷹夜の鞄を持った。
「まりえお嬢様の所に行かれるのでしょう?
これは鷹夜さんの部屋に置いておきますね。」
「あぁ、すいません。
適当に部屋に入れておいてください。」
そう言って皐月に鞄を預けると、鷹夜は急いで玄関に向かう。
そしてそのまままりえの部屋に向かった。
「そういえば……」
鷹夜はまりえの部屋の前につくと、自分の姿を見てため息をついた。
いつもの螺旋階段を上って長い廊下をひたすら歩き、さらに階段を上って重厚な扉を目指す。
いつもはそのままノックして入るのだが、今日はさすがに躊躇してしまった。
それもそのはず。
鷹夜は車からおりて、すぐにまりえの部屋に向かったのだ。
そう、学園の制服のまま―――
「癖とは恐ろしい……
普通にこれできてしまった。」
鷹夜はどうしたものかと、一人唸っている。
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