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鷹夜が出した策―――
どちらにしても鷹夜としては辛いのだが、やはり主人の前で無礼を働くわけにはいかない。
しかしそんな鷹夜を見てまりえは器用に片眉だけ上げると、問答無用で鷹夜を部屋に引っ張り込んだ。
「ちょっ、お嬢様!?」
「つべこべうるさい。
そうやって頭を下げている時間が勿体ないわよ。」
慌てる鷹夜にまりえはびしりと指差し、面倒くさそうに言った。
「それに執事服以外のあなたなんて、本当に久しぶりだからね。
新鮮でよろしい。」
先程の面倒くさそうな顔から一転、まりえは花のような笑みを鷹夜に向ける。
そしてそのまま勉強するための机に向かうと、疲れたように座った。
「とりあえず、鞄ありがとう。
私は今から宿題をするけど、何かある?」
「いえ、本日は特に予定は入っておりません。」
まりえはそう、とだけ呟き、机の上に置いてあった分厚い本を手にする。
「今日の宿題は何ページから何ページまで?」
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