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そしてその台座を見てみると、本当に小さいが、『J』の刻印が細かく入っている。
こんなに小さいものではあるが、これほどの質である。
かなり高価な物であろう。
「糸さん、これ、どうしたんですか?」
鷹夜は驚きに満ちた目を向けると、糸は茶目っ気たっぷりな笑みを浮かべた。
「それは、私たちからのささやかなお祝い。
せっかく魔術学園に編入するんですから、それなりのものをつけなくっちゃね。」
そう言って糸が鷹夜の手にあるピアスを見ると、鷹夜もつられるように視線をピアスに戻す。
「政府が認める『魔具師専任店』のピアスだなんて、高かったでしょうに……
ありがとうございます。」
「いえいえ。
みんなでお金を出し合ったら、鷹夜君にピッタリなのを選べたわ。」
そう言ってくれた糸に、鷹夜はもう一度ありがとうございますと頭を下げた。
「でも、何故このピアスに?」
鷹夜はピアスをそっと置くと、始めにピアスを見た時からの疑問を糸にぶつけた。
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