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「詳しい人……?」
糸の言葉に鷹夜は首を傾げると、瞬時に頭の中にこの屋敷で働く使用人たちを思い浮かべてみる。
しかしほとんどが職業学校出身なので、該当するような使用人が全く出てこない。
鷹夜は答えを求めるように糸を見ると、糸は笑いながらちらりと棚に飾っている写真たてを見た。
それにつられるように鷹夜も写真を見ると、合点がいったという表情で頷いた。
「成る程、ダグラスさんですか。」
「正解。
まさかこんな形で息子が役に立つとは思わなかったよ。」
そう言って糸は写真たてを手に取ると、愛おしそうに撫でた。
そこには1組の夫婦が写っており、夫婦が挟むようにして真ん中に活発そうな男の子がいる。
一見幸せそうな家族写真だが、写っているのは金髪の男性と黒髪の女性。
そして間に挟まれた、金髪の男の子。
いわゆる、糸はこの時代では珍しい国際結婚+再婚だったのだ。
よって、糸の名前は『糸・R・ウォーカー』
そしてダグラスは『ダグラス・R・ウォーカー』
という風になっているのだ。
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