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太陽が沈んでいき、ついには見えなくなった。
町はわずかな明かりがあるだけで、真っ暗だ。
(やっべぇ。夕食までに帰るんだった…)
あまりの絶景についつい長居してしまった。すぐに帰らねば、道に迷ったと勘違いされる。
俺は石段を急いで降りていった。途中、石段をかけあがる真面目そうな少年とすれ違った。年は俺と同じくらいだろう。スポーツはしてなさそうな雰囲気だが、筋肉はついている。なんか中途半端なヤツだ。
この時間に町と逆方向に向かっていくのは珍しい。と、この町の初心者である俺は思う。なんてったって町にはポツポツと明かりがついているが、後ろをむくと完全な闇なのだから。
さて、小さな疑問は気にするな!早く帰ろう。暗くなると、ウキウキはドキドキに変わった。
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