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そう思って登校しようとしたら、母の車が俺の横に止まった。
「ちょっと待ちなさいよ。」
「いいよ。母さんは車で先に行っててよ。歩いてくから。」
入学式には保護者も出席するらしい。
「そうじゃないわよ。新入生は9時から受付なの!」
えっ(汗)知らなかった。危うく、恥をかくところだった。
しょうがなく、母の車に乗り家に帰った。
「ただいま…。」
「おかえり~!」
笑顔で飛び付いてくる弟に、またいってきますと言うのが悪いような気がした。
が、一時間後に弟は俺を笑顔で送り出してくれた。
今度は素直に車で行く事にした。文化系の俺には、また学校まで歩く気力がない。カッコ悪いけど、母の運転に身を任せた。
桜の花が咲きはじめている。今年は暖冬なので、この雪国でも桜が咲いたのだ。俺が早く学校に行こうとしたのも、桜がフライングしたせいだ。「二回目は退場だぞ!」と桜に投げ掛けた。
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