まっすぐ見つめて

出会い

「おかえり。」
「ただいま～」
　何か他人事のように、コーヒーを飲みながら母が訪ねてくる。

「学校どうだった？」
「どうだったって、どうってこと無いよ。」
「何かはあるでしょ？理科の先生が美人だとか、隣の席の娘が可愛いとか、廊下ですれ違った娘に一目惚れしたとか…」
「そんなことが聞きたいのかよ！」
「そりゃ親だもん。」
「百年早い！」
そう答え、階段を登り自分の部屋に向かった。