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「ゆぅ?写真とろぅよ。」
愛が声をかけてくる。俺は「あぁ。」と口を小さく開き答えた。
写真を一枚撮ると、「教室の写真撮ってくるね」と言って愛は走っていってしまった。
みんな、泣きながら友達と中学生活の思い出を語ったり、写真を撮ったりしている。無理に笑顔をふりまくやつもいる。
俺は、こんな空気が嫌だった。泣きたくなかったし、泣いているところを見られたくなかった。
だから、そっと、車に乗り、母と家に帰った。
帰りの車内も、重い空気だった。
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