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走るのが好き…ニュアンスが違う。走るのが使命…昔はそう感じていた。でも…
走ることは俺にとって何なんだろう?
「分からないけど、俺にとって走ることは……始まりに気付く事かな。」
「始まり?」
「そう。始まり。」
俺はなぜか、感慨深い気持ちだった。
「走ると、季節の始まりに気付くんだ。花が咲いてるなぁとか小鳥が鳴いてるなぁとかね。それで、この間は………」
こんな気持ち初めてだった。
「この間は?」
「この間は、終わってたんだ。」
彼は俺の話を、静かに聞いてくれる。
「だけど、始まりを見つけた。」
「走ってたから?」
「うん。走ってたからだ!」
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