走り出す

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 太陽の光が俺たちの背中を照らし、その光に押されるかのごとく、まっすぐに走っていった。 初めは俺の手に引っ張られているように走る涼だったが、すぐに自ら進んで走り出していた。どちらかが引っ張っていくだけでは、駄目だ。二人が友に走らなければいけない。    商店街をまっすぐ進むと、あの時となにも変わらない趣の階段がある。そして、上り終えれば、どっしりと神社があるに違いない。 二人は階段をかけあがった。一段一段丁寧に、さらに勢いよく。 濃い緑の木々の葉達はざわざわと始まることの大変さを伝えてくれたが、もう覚悟はできていた。どんな壁をも乗り越えて、歩みをけして止めないという覚悟だ。    階段を上り終えた時、強い風が吹き、木々はさらに怒鳴った。 「涼!今日からスタートだ。俺とお前、そして他の仲間を集めて、弓道やろうぜ。」 「谷くんも…。」 「当たり前だ。絶対に全国に行こうな。」 「全国の壁は厚いよ。」 「知ってるさ。  でも歩み続けなければならない。」 「うん。でも谷くんは全国の前に、弓道を覚えようね。」 「それは…まぁ。」 太陽が沈んでいく。これは1日の終わり。そして明日が始まる。 「よし。明日からだね。帰ろうか。」 「帰ろうぜ。あっラーメン食べてかない?」 「いいね。いこいこ。」
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