9人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「おじさん。ラーメン2つ。」
「はいよ~!」
ラーメン店は、熱気につつまれ、店の角にあるテレビでは野球中継が流れている。
「明日からどうする?」
涼は真面目に俺に問いかけてくる。この真剣な目は、長い弓道経験を物語っているのだろう。
「明日からか…まず顧問の先生を探さなきゃな。」
「そうだよね。僕たちは、練習するだけじゃ駄目なんだよ。」
「ああ。」
「不利だよね。僕たちが顧問だの部員だのを探して、練習場を借りる手続きをしている間、みんなはもっと強くなってる。」
「それは違うよ。俺らの熱さはだれにも負けない。練習は大切だが、勢いで勝つことだってある。勢いは俺らが勝る。」
そう、弱気になっちゃ駄目だ。常に歩みを止めない約束ではないか。
「はい。ラーメン大盛りサービスね!」
「ありがと。おじさん。」
よっしゃまずは食って、明日のことを考えるか。
最初のコメントを投稿しよう!