9人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「ねぇ?父さん。」
引っ越しの車の中で、弟は森のくまさんを歌っていた。
「ん?」
「終わりって、いつかな?」
ちょっと難しい質問をした。俺の気持ちが伝わってなければ、父は死と答えるだろう。だが、流石に父は期待に答えてくれた。
「始まりの前だよ。終わると始まる。これが人の生きる道だね。」
終わると始まるかぁ・・・。もうはじまってんのかな俺?
さらに父は付け足した。
「まぁ始まらなければ、死ぬってことだけどね。」
花咲く森の道を、歩いていたら熊に会う。
幸せが一転、不幸だ。
しかし、不幸をまた幸せにすればいい。
そう。熊さんと踊るのだ。
最初のコメントを投稿しよう!