はじまり

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 新しい家が目の前にある。これから生活する場所である。   俺は、はじまる。 また俺が終わるまで、走り続ける。     車から降りると、父は手を伸ばし、大きく息をすう。長い運転に疲れたのだろう。俺がはやく免許を取って、運転を代わってあげたいものだ。しかも父は明日から仕事というのだ。なんとも忙しい『はじまり』である。   母は、歌い疲れて寝ている弟を抱っこしながら、新居に向かった。
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