1368人が本棚に入れています
本棚に追加
「今井さぁ、樺(かば)ちゃんのことどう思ってんの?
気づいてんだろ──」
「お待たせしましたぁ。
生中とジンライムですねー」
威勢のいい声に潤貴の声はかき消され、ジョッキとグラスがテーブルに置かれた。
「お、ありがとう。
元気いいねぇ!
笑顔もいい!
接客業のお手本だね」
潤貴が焼き鳥の串で女子店員を指しながら笑う。
空のグラスをさげながら、少年のように華奢な彼女はいっそうにっこりと微笑んだ。
「ありがとうございますぅ。
お料理のご追加はいかがですかぁ?」
潤貴が陸朗に「おまえは?」とメニューをずらす。
「まかせるよ」
陸朗はグラスを手に素っ気なく言う。
「じゃあね、焼き鳥盛り合わせ追加で。
あと、この蓮根の明太子はさみ揚げも」
「はぁーい。
ありがとうございますぅ!」
・
最初のコメントを投稿しよう!