α開眼α

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四角い部屋。 壁は全面真っ白。 なんとも殺風景な部屋に一カ所だけ四角い灰色がある。それは鉄製の扉。 そんな部屋の中に一人でいる少年は思う。 なんて暇な毎日だろうか。 一日の大半はこの部屋で過ごすことになっている。 昔その理由を聞いたことがあるが、その返答は難しい言葉がたくさんあってあまり理解は出来なかったけど、要約すると、「『危険』だから 」だそうだ。 「そうかぁ、そとは危険なんだ~」 と、勝手な解釈をして納得したが、今思うとその『危険』の意味することが何なのかが何となくわかる。 急に恐く思えてきた。 自分はこれからどうなるのか。 毎日、そんな恐怖に怯えていた。 その恐怖が、毎日の暇つぶしになっていた。
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