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~ピーーーッ。
間もなく3番ホームに電車が入ります。危険ですので黄色い線までお下がり下さい。~
列車の到着を知らせるアナウンスが流れた。
「キャーッ!危ない!」
僕の近くで叫ぶ女性の声がした。
「えっ?」
顔を上げた僕のちょうど目の前のおじさんが今にも線路に飛込もうとしているではないか?!
『な!何なんだ、どうなってるんだ!』
状況が飲み込めない僕は呆然と立ち尽くしていた。と、その時。
ドン!!
『えっ?』
人混みに背中を押され僕は前に踏み出してしまった。
ファーーン。
僕はそのおじさんを抱きかかえる形で電車まであと数センチのところへ倒れ込んでいた。
おじさんがいるはずだった列車の下には僕の携帯とケーキが無惨な形で身代わりになっていた。
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