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今日も今日とて国防省は大騒ぎである。
宙には報告書が舞い罵声と怒声が飛び交う。
誰が呼んだか通称【蜂の巣】。
とにかくここは有能な上司の下、大人しく積まれた仕事を片付け、我が身を守るのが自分の役目である。
例え交わされている会話がとても不毛、かつ、とても真昼間にするような話じゃないとしても。
「だからあの女とは何も無かったって言ってるだろーが」
「あの女ってどの女だ」
「えーと…。あー…」
「指折り数えるなこの馬鹿」
「とにかく何も無かったって」
「白い軍服に香水、胸元に口紅。証拠があれほどあって一体どう信じろと?」
優勢は明らかにロードナイト。
軍配が上がるのは流石参謀、誘導尋問に物的証拠提示はお見事。
「大丈夫だってロード。あの女とは本当に何も無かったよ」
これは心強い。
ラットは今回デュナスの味方です。
「ただ、二週間前の金髪のむっちりした美女とはそうも行かなかったみたいだけど」
「ラットーッ!」
見てます見てます。
ものっそい見てます。
それも氷点下の視線で!
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