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そこにあった物は、本来は雪の様に白い肌の筈。
しかし、その白い肌には、おびただしい数の紫色の痣が浮いていた。
俺は再び腕に目をやり、それから少女の暗い目に視線を移す。
「これ、どうしたの?」
「無理矢理された」
彼女が街灯に照らされた無表情で、呟くようにそう言う。
その顔は、頬は青くなり、唇も紫色に染まっていた。
それに加えて、吐く息は俺より白い様に見えた。
「ごめんな。今の君の状態だけ知りたいんだ。誰にされた?」
「『元』お父さん」
『元』と彼女が付けたことに、俺は激しい絶望と怒りを感じた。
「お母さんは何も言わないの?」
「一緒に殴ったりしてくる」
彼女には本当に両親と呼べる人物はいないのかと思った。
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