冬と空と雨と……

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  見ると……やっぱりな。 顔を赤くした、サラリーマン風の中年のおっさんだった。 足元はおぼつかづ、フラフラと俺の予想通り酒類コーナーに向かう。 俺はおっさんが数本の酒を選んだのを確認すると、スタッフルームの外にあるレジに向かった。 あの駄目店長が自分でレジに立つのは、綺麗なお姉さん系の女性と、視察の人が来た時だけだ。 俺がレジに入るのとほぼ同時に、ガチャンと音がし、おっさんが缶ビールやらをレジに並べる。 それのバーコードを、俺はできるだけ速く読み取っていく。 「兄ちゃん、こんな日にバイトなんて、大変だねえ」 おっさんが、ピッピッというバーコードを読み取る音に混じって、俺に話しかけてきた。 だから速く終わらせたかったんだ……。 大抵このタイプの客は、暇つぶしに話しかけてくる。 しかし、こっちとしては大迷惑だ。 「本当にねえ」 うるさいな……。 お前の頭のバーコードも読み込んでやろうか?
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