家庭訪問

5/6
前へ
/74ページ
次へ
数日後の夕方、夕飯の準備をしているとピンポ~ン♪ この主婦の忙しい時間帯に誰なのよ!? って思いながらも、「は~い♪」とよそ行きの声を出してみる。 「お忙しい時間にすみません、美咲ちゃんの担任の佐伯です」 えっ!?先生!?美咲何かやらかした!? 驚きながら恐る恐る玄関を開ける… 「美咲が何かしましたか?」 「いえいえ、美咲ちゃんは全然大丈夫です、今日は別件で…」 なんか言い辛そう。 別件って美咲のこと以外で何かあるかしら? 「実は…お願いがありまして」 お願い!?余計にわからないわ。 「先日お願いした役員の件なんですが、生活部と共に学級代表も兼ねてほしくて…」 申し訳なさそうに佐伯が言う。 「えっ!?何で私!?他にも役員さんいるじゃない」 明美が反論すると 「いや、相澤さんが1番適任と、他の先生達とも相談しました」 「はぁ!?」 呆気に取られる明美。 「実は今年の1年生は第一子が多いんですよ、他の役員引き受けてくれた方達ほとんど第一子か1人っ子でして。2組なんて代表さんもですから」 呆然としてる明美に構わず佐伯は話し続ける。 「必然的に相澤さんでしょ。2組の斉藤先生も不安がっちゃって、相澤さんに学年全体見てほしいって言ってます」 何を言ってんだ、この先生は!? 「そしたら、大川先生が優也くん受け持ったことあるけど~、って話に入ってきまして、相澤さん、いいよ~って」 「優也が入学した時は若い母さんで新米ママって感じだったけど、美咲が入学したら確かに若いけど、やっぱり二人目の母さんって貫禄出たよね~( ̄ー+ ̄)」 佐伯が言うには、明美と優也を知ってる先生方がみんな大川先生の話に賛同したと。 「ねっ、相澤さんしかいないでしょう」 明美は絶句。。 そんな明美を気にせず 「では、そういうことで、よろしくお願いしま~す♪お忙しいとこ失礼しました」 と、明美の返事も聞かず佐伯は機嫌良く帰っていった。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加