茶話会

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そんなある日、またクラスのお母さんから電話だった。 竹中千里ちゃんのお母さん、引っ越してきて3年生のお兄ちゃんは転校というカタチで来たらしい。 前の学校との違いに戸惑ってると。 とは言え出来の良いお子さん達らしく、子供達の悩みでは無いらしい。 本題があった。 「こちらの学校は茶話会は無いんですか?」 深刻そうに聞いてくる。 働いて無い母親を探し出すのが難しいこの学校、茶話会なんて迷惑なだけ、親の負担を減らすのに簡素化してるのに。 ここは幼稚園では無い、学校なのだ。 とはさすがに言えないので話を聞いてみる。 「実は、千里と幼稚園が一緒だった加藤光樹くんのお母さんから相談の電話がよく来るの、相澤さんのところに電話来ましたか?」 「結構いろんなお母さん達から電話は来てたけど、加藤さんからは来てませんよ、何かありましたか?」 「加藤さん、息子さんのことでいろいろ悩んでるらしくて。私もこの学校のことよくわからないし、先生方の教育方針や親同士の繋がりも。相澤さん詳しそうだから聞いて見たら?って話したんです。かなり落ち込んでるみたいで、茶話会でもあれば声かけてあげてほしいなぁって思いまして。」 えっ!?茶話会なんか面倒…お金もかかるし学校でやったって、今は話し合うことなんて何も無いのに…。 明美は内心そう思ったけど、確かに他のお母さん達はあまり繋がりが無く不安で電話をかけてくる。 やっぱり私だけにいろいろ言われるより、お母さん友達作ってもらう方が良いかぁ。 「では竹中さん、学校で茶話会ってなると、許可もらったり話題も無いしお堅くなるので、とりあえず私のところに電話くれたお母さん達集めて、お喋りでもしませんか?質問があれば私がお答えしますから。いかがですか?」 竹中さんは 「そうですね。その方が緊張もほぐれやすいでしょうし、加藤さんにも伝えておきますね。ありがとうございます。」 と、話は終わった。 と言うか、加藤さん、直接聞いてくればいいのに…やっぱり私が若すぎるから不安なのかな? まだ運動会やバザーまで日にちあるから、とっととやっちゃうかぁ。役員以外の親達にもバザーは手伝ってもらわなきゃ困るし、その気にさせる良い機会かもね。 明美は面倒な気持ちを切り替え、早速クラス役員含め数人の明るそうな母達に連絡をとり10人近い母達が集まることになった。
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