出逢い

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「ただいま~」 夫・洋二のご帰還だ… 「美咲~、今日は学校どうだった?楽しかったかい?」 「うん、パパ。あのね、クラスでね、先生の名前覚えてたの美咲だけだったんだよ」 「えっ!?先生の名前くらい覚えてないの?」 「パパ、美咲が覚えてたのは下の名前だよ、隆志先生」 「へぇー、よく覚えてたなぁ、美咲頭良いなぁ」 「だって幼稚園の時は先生達を下の名前で呼んでたでしょ、ミナ先生とかさ。だから美咲は先に隆志先生って覚えちゃったの」 「でも、学校じゃみんな佐伯先生って呼ぶんだね」ちょっと残念そう。 「そうだね、幼稚園は仲良く遊ぶところ、学校はお勉強しに行くところだから、ケジメなんだろうね」 夫・洋二は美咲をベロ可愛がりである。 優也には冷たいのに…差をつけないでほしい。 ほら、また優也のイジケモードが始まる。 「優也~、優也の先生はどんな先生だったの?」 明美が聞くと「なんかね、歳のわりに元気でオーバーな面白い先生だったよ♪」 「あら良かったじゃん、今まで厳しい先生多かったもんね~」 「まあ、厳しくても優也は怒られたことほとんどないだろうけどね」 「この3年間、家庭訪問や個人懇談でも、先生達に褒められて、ママはとっても楽だったよ」 「だって怒られるようなことしないも~ん」 そう、優也は確かに良いコ。小さい頃に厳しくし過ぎたか、大人の目を気にする冷静さを身に付けていた。
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