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結婚当初、洋二はとても良い夫であった。
当時の職場は家族ぐるみでの付き合いで、明美は洋二が1番良い夫だと思っていた。
優也が産まれて初めての子育てにオロオロする私を支えてくれた。
オムツ交換もお風呂も、夜泣きすると車を出して寝かしつけてくれた。
周りにそこまで育児に協力してくれる旦那さんはいなかったから。
しかし、転職を機に一気に坂を転げ落ちるように、洋二の様子は変わっていった。
特に美咲が産まれてから。
夜泣きをすると怒鳴り、幼い優也に八つ当たり。
まるで優也をライバル視してるようだ。
美咲は女の子だから可愛くて仕方ない。
優也は男の子、明美を独占するのが気に入らないらしい。
赤ちゃんの頃から優也と添い寝させてもらえなかった。
若く子育てに自信の無い明美が、優也のことを気にかけるのが面白くないらしい。
我が子なのに…一緒に野球をしたいから男の子がいいって喜んでたのに。
美咲が赤ちゃんの頃は全く面倒も見なかったのに、成長し可愛くなってきたら可愛がりだした。
何よ、この変化は。いいとこ取りじゃないの。
明美の心はすっかり洋二から離れていた。
対照的に洋二の明美への想いは強くなる。
絶対子供達とは寝かせず、毎晩のように体を求めてくる。
疲れてるからと拒むと超ご機嫌悪くなる。
風邪をひいて熱があっても…それって愛情じゃないよね!?
友達に聞きたくても、なかなか聞けない問題だ。
一応夫婦なんだから仕方ないかと体を任せる。
ものの3分もあれば終わるのだが…自己満足で終わるんだから。
いっそ、流行りのセックスレス夫婦が羨ましいとさえ思う。
気持ちイイなんて感じたこと無いし、子作り以外の目的でする必要ないじゃん。
明美がそこまで冷めてるとは夢にも思わぬ洋二だった。
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