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「…え?」
(え?じゃねぇよ)
「…“僕と付き合って”って言ったよね?」
「あ!………は、はぃぃ…」
伏し目がちになる男に私はもう一度溜め息をつく。
「ちょっと、ここじゃ返事しにくいんだけど」
「…あっ!やっぱり体育館裏に呼び出した方かよかった!?」
(意味わかんねぇよ)
「……いや、あなたが大声で言うから注目の的だけど」
「うおっ??!」
やっと周囲に気付いたのか、男はイキナリ私の腕を掴んで、到着した電車に駆け込んだ。
「ちょっと!なんですか?!」
掴まれた腕を乱暴に振りほどく。
「げっ!ご、ごめんっ!」
慌てた男は再び私の腕を掴んで、今度は電車から私を引きずりおろし、その直後電車は駅から去ってしまった。
「ちょっ!なにすんのよ!」
普通におかしい奴に絡まれたと認識した私は、思い切り男をにらむ。
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