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大貴は、今まで聞いた事のないかなり声で叫んでいた。
何を言っているのか分からないぐらいに泣き叫んでいる。
周りの集団は、離れた場所から罵声を浴びせている。
あの老人でさえも、そそくさと離れていた。
誰もが助かりたいと願いながらも諦めかけていた。
そして、恐怖を少しでも抑えたいが為に一番この中で弱いもの……大貴を罵声することによって精神を保っているのだろう。
俺は、もう見ていられなかった。
愛する息子が、泣き叫んでいる姿も、罵倒されている姿も…。
…もう…たくさんだ…。
俺は、深い息をすい、ゆっくりと吐き出した。
そして、目を見開き思い切り自分の舌を噛んだ。
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