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なかなかの肉厚で噛みきれない。 まだ、繋がっている。 口の中、いっぱいに血の味が広がり頭がクラクラする。 俺はもう一度、勢いよく噛む。 なんとも言えない音がして舌がポトっと床に落ちた。 声にもならない激痛だ。周りが白く見えてくる。 壁が白いんじゃない…。俺が気を失いそうなんだ…。 大貴……。 大貴………。 「バアァァン!」 勢いよく俺の部屋のドアが開いた。 カメラでもついていたのだろう。 予想外の出来事にモニターのスタッフがとんで来たらしい。
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