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少女に傘を返し、痛い体を無理に起こた。
「……ぐっ…」
立ち上がっただけで、全身に激痛がはしる…。特に背中は焼けている様な痛さだ…。
「……大丈夫…」
自分と心配そうに見つめる少女に言った。
「…行こうか…」
背中を押さえながら、一歩、一歩足を踏みしめた。
すると少女は無理矢理、俺の腕を自分の肩にかけさせた。
「………すまない…」
悲しいが…、今は少女の肩を借りないと、まともに立っていられない…。
少女の手招くマンションは真新しく感じるが、なぜか古めかしく見えてしまう…。
複雑なマンションだ。
「…………」
入り口の軽い階段を登り切った途端、突然少女が俺に傘を預けて走った。
どうやらエレベーターのボタンを押しに…、行ったみたいだ…。
…急に体が重たくなった…。
そして、見えていた光景も真っ暗になってしまった…。
……バシャ……
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