-13-[死線の果てに]

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「さてと…」  地上から爆音と煙硝の臭いが立ち込めてきた時だ。ミカエルがゆっくりと動いた。  今、飛んでいる高さよりも高く、厚く鉛色の雲に近付いていった。 「何をするつもりだ…」 「くっくっ…。 昨日、俺が言った事をもう忘れたのか? 確か、俺はお前を仲間にするつもりだと、いった気がするんだがなぁ…?」  ミカエルがそう言った途端、雲がほんの一瞬だけ、厚い雲の隙間から青い稲妻が見えた。  それを見上げ、何を思ったか、ミカエルは自らが避雷針になるかの様に、右手を高々と上げた。 「まさか…。天も操れるのか…」  その問いかけに、ミカエルの表情だけが「あぁそうだ」と答えた。 「この雲の中には、凶神になる為のエネルギーが蓄えられている…。 元々は人間どもに向けて発射させる為の銃口なんだが…。 今日は特別だ。お前にだけ撃ち込んでやろう!! 光速で落ちてくる鉛球をな!」  空が光りだした。地上まで照らす青い雷雲が、俺の真上に出来上がっていた。 「いくら、悪魔の力を持った堕天使でも…。雷の速さには敵わないよなぁ~」  「……………くっ…」  俺は力を振り絞り、真上に封撃を作り上げ、手で支えた。 「また後でな。親友。自我を失って俺の前にもう一度現れてくれよ……!!」  閃光が眩しく眼がくらんだ。  その全く持って瞬きすらする間もない一瞬の瞬間に、俺の体を雷が貫いた。
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