-4-[少女]

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「一つ聞くが… …何故、喋らない?」  [言葉]で話してもらいたい。そんな一心で尋ねた…。  だが、これは聞いちゃいけないことだった…。 「………………」  尋ねた途端、少しおどおどとし始め、やるせない様な表情でマーカーペンをはしらせた。    …キュッキュ…キュ…   『実は…私…。 …声が出ないんです…』 「……すまない… …察してやれなくて…」  そう言うと、木風は首を横に振り、『謝らないでくださいよ』と書かれたページを開き、その一文を焦りながら指でなぞった。 「…そうだったな」    キュキュキュッ!  軽快なペン捌きですぐさま書き終えると、満面の笑みでスケッチブックを見せた。 『今、初めて笑いましたね!』 「…そうかもしれないな」  天上界から堕され、悪魔の所為で天冥力をなくし、こんな大怪我をおって…。…あの夢まで見てしまった。  自分でもわからないが、心が休まらなかったのだろう…。 「ありがとう…」  木風と話してると昔の天上界を思い出す…。仕事ばかりだったが、それでも楽しい仲間がいたあの頃を…。
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