-4-[少女]

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 …ありがとう…  この言葉も随分言っていなかった…。  俺がそう言うと、木風は恥ずかしそうに照れ笑いをした。    …キュキュッキュ 『そう言えば、もうお昼ですね。 ご飯食べますか?』  まだ暗いから朝だと思っていたが、外が曇っていただけの様だ。 「あぁ、頂くよ」  頷き、そう言うと木風はすっと立ち上がった  そして、「少々お待ちくださいね」と言うように深くお辞儀し、部屋の外へと出て行った。    ……バタン…   (さて…と…)  少しでも起きないとな…。治るものも治らなくなりそうだ…。 「よっ…と」  かけ声をかけ、両手で体を支えながらゆっくりと上半身を起こした。  …目覚めた時よりは体全身に響いていた痛みが和らいでいたからか、すんなりと起き上がることができた。 (よし…っと)  寝ている時は気づかなかったが、この部屋は以外にも狭く、ベッドだけで部屋の半分は使っている…。さらには、服やら本やらが、そこら中に散らばっていた。 (一人暮らしなのか?)  だが、見た目からしてまだ十五、六。高校に通っててもおかしくはない様に見える…。 (小柄なだけか… 若しくは中退か…?)  まぁ、今は気にしなくてもいいだろう。    キィィイ…バタン…    そう思っていると、木風がしょんぼりとした表情で戻ってきた。 「…ん?どうした?」  …キュキュ…キュッキュ…  なんとも悲しげな音をたてながら、文章を書き上げた。 『ごめんなさい… お買い物、忘れてましたぁ… もう残飯も残ってません(T_T)』   「いや、謝ることはない。 食材がなかったのは仕方がなかった事だし…」  キュキュキュ! 『そうです! お食事に行きましょう!』  突然、はっとした表情をうかべ、すぐさま文章を見せた。 「…そう…、だな。 そうしようか」  断ろうと思ったが、歩くリハビリには丁度良いかもしれない…。  それに今は調子がいい。憶測だが、最後の天冥が治療を促進させてくれたのだろう…。 『では、少々お待ちください。 私は着替えてきますので』  そう書かれたスケッチブックを見せると、そそくさと部屋を後にした。   「……よっと…」  ベッドから両足をたらし、いつでも立ち上がれる様にした。  そして、あることに気付いた…。
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