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「それが俺の服か?」
さっき見せてくれたチェック柄の深い赤と黒色のYシャツに、ダークブラウン色の上着と同じ色のスラックス…。さらにはインナーに靴下まで用意をしてくれた。
「ありがとう。用意してくれて」
木風が重そうに持っていた服を一着一着預かった。
全て持ってみると以外と重く、両手で持っていないと支えてられない。
そんな俺を見て、木風は心配そうに俺を見上げていた。
「大丈夫だ…
ベッドの部屋借りるよ…」
俺はゆっくりと部屋に向かった。
トタトタトタ…
軽快な足音をたて木風が先回りをすると、扉を開けてくれた。
「悪いな」
俺はゆっくりと部屋に戻った…。
「……あのさ……」
「……………?」
中に入り着替えようと思った時だ。
今まで不自然だとは思わなかったのだが…。
「なんで木風も入ってきたんだ?」
それが当たり前だと言うかの様に平然と扉の前に立っていた。
…キュッキュキュ…
『お着替えを手伝わせてもらいます』
「…いや、結構だ。
一人で着替えられる」
本当は手伝って貰った方が助かるのだが…
やはり、身の回りくらい何とかしないとな。
「………」
少し残念そうな笑顔を浮かべ、ペコッとお辞儀をしてから部屋を出ていった。
俺は木風を見送ってから、ベッドの上に服を置き、崩れる様に座り込んだ。
(……さて、着替えるか)
呼吸を整え、インナーを持ち立ち上がった。
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