-4-[少女]

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「………こんなもんかな…」  着替えてみてわかったが、以外と派手な格好だ。  上での服装は必ず白と濃い青色の正装姿が基本だったからか、この黒中心の服装に、いささか抵抗がある…。 (時期に慣れるか…)  重い体を奮い立たせ、ゆっくりと扉まで歩いた。   コンッコンッ…  ドアの目の前に立った時だ。俺をせかすかの様なノックが響いた。 「今、行く」  俺はゆっくりと部屋を出た。 「待たせた」  リビングには出会った時と同じコートを羽織った木風がそわそわしながらこちらを見ていた。   「………………!」 「お、おい、どうした」    俺を見るなり突然、涙をぽろぽろと流し泣き出した。 (着方が変だったのか? それともあまりの似合わなさに涙したのか?)  思い当たる事を片っ端に頭の中で巡らせていたら、木風がよれよれとした文字を書き始めた。   『ごめんなさい… おとうさんによくにてたものだから…』    読みづらかったが、多分そう書いてあるはずだ。 「お父さん…?」  そう尋ねると、小さく頷いた。 「…そう…か…」  …木風はそれ以上、なにも書こうとはせず、ただ俯いたまま立ち尽くしてしまった。   「……………」    俺は頭を一掻きし、「ご飯食べに行くんだろ?」と言いながら、木風のしとやかな髪を撫でた。  …もう一度、木風は小さく頷いた。
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