-2-[自由は罪]

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 そして、三年がたち今に至る…               (……今日こそ…、言うべきか……)  あれから、ずっとおかしなことが続いた。  俺の部下だった天使達は転属を命じられ、次々といなくなるし、俺以外の熾天使は皆、出張してしまい、この三年間会っていない…。  そして、なによりおかしいのは神様の命令だ…。   「全天使等に命ずる。 これより72時間いないに20人以上の魂を集めよ。 浮遊霊でも何でもよい… とにかく集めるのだ」    こんな事…、昔の神様だったら絶対に言わなかった。  何かが変わったのか…?   「話とはなんだウェルよ」 「……………」  俺は恐る恐るひざまずいた状態で頭を上げた。 「はっ… 日頃から常々思っていたことがあります… ……その、神様……」  決意を固めた。 「…なぜ、魂集めに躍起になられているのですか?」 「………なぜだと?」  玉座の間に不穏な空気が流れた…。 「はい… 三年ほど前からです。 日に日に魂を集める数が増えているようですが…?」  息をのんだ。 「……その真意を聞いておまえはどうするきだ…?」 「……もし…、悪性だと…思われる場合…。 …天御中主神(あまのみなかぬしのしん)に報告いたします」  天御中主神とは神様と肩を並べる、もう一つの天上界の神様のこと。  向こうの神々とは面会がないが、きっと手助けはしてくれるはずだ…。   「………向こうの神を信じると言うのか…?」  言葉にずっしりとくる重みがある…。押しつぶされそうだ…。 「けしてそう言うわけではございません… ……もしもの話です」 「………だが、私を少しでも疑っていることに…」  玉座から立ち上がり、一瞬のうちに俺の目の前に現れた。 「…変わりはないようだな…!」  神々しい目を合わせた瞬間、体がまったく言うことを利かなくなった。
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